より快適な病院生活を

病院が患者さんを物扱いしていることを顕著に表しているのが、半強制的な転院です。

まだ入院が必要なのになぜ病院を移らせるかと言うと、90日を超えて入院を続ける患者の医療費が大幅に減額される制度があるからです。
つまり、新しい入院患者を入れたほうが儲かるわけです。

こんな話があります。
「癌で余命いくばくもないと宣告されていましたが、90日を超えるから転院してくれと言われました。死ぬ間際ぐらい、融通が利かせられないんですかね。病院という所は、患者を人間扱いはしてくれないんだということがはっきりわかりました」という患者さんの話です。

まだあります。
吉田医師が研修医として初めに勤務した病院でのこと、6人部屋の窓際に、特に治療を要しない状態のおばあさんがいました。
ところがこのおばあさん、一日中と言ってよいくらい、「腰が痛い、痛い」と言っているのです。
見ると見舞いに来る人もなく、寂しさを紛らわすためにそう言っていたのでしょうが、この人の隣りに、胃癌の20代女性が入院してきました。

進行が早く、とうとう余命1週間という状態になってしまいました。
ところが、「隣りのおばあさんが痛い痛いとうるさいので眠れない」と訴えてきたのです。
しかし、病院側は何の処置もしませんでした。
若くして逝くその辛さに加えて、死ぬ間際の1週間さえ、ゆっくり眠ることもできない環境なんて、恐ろしくなるほど無残な姿ではないでしょうか。

理想を言えば、入院生活というもの、極力普段の生活の延長線上にあるべきものだと思います。

スペースの兼ね合いもあるでしょうが、例えば費用の負担にしても、経済的にゆとりのある人には多めに出してもらい、ゆとりのない人がより安価に快適に入院生活ができるようにする工夫があっても良いのではないでしょうか。

費用は高くなりますが、バス・トイレつきで色彩にも考慮した個室を備えているのは、東京の聖路加病院です。

こうした問題は、社会全体の問題ともリンクしており、医者の意識や姿勢ばかりを責めるのは片手落ちのようにも思えますので、気づいた人から改善の努力をしていただきたいと願う次第です。

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