安全な食材の供給

私たちの身体は、食べ物で作られていると言っても言いすぎではありません。
成長期を過ぎて老人と言われる年齢になっても、食べ物によって生命を維持しているのです。
それほど食べ物は重要です。

ところが、現在の食べ物は、大きく分けて2つの問題をはらんでいます。
ひとつには、冷蔵庫の普及により、日持ちがよく口当たりのよい食品が求められるようになり、多くの加工食品に防腐剤や食味を向上させるための化学薬品が使われるようになったことです。

いまひとつは、より安価な食材を大量に求める消費者の要求から、見た目だけきれいで実は生命力の乏しい野菜や食肉などが作られるようになったことです。

生命力の乏しい食物を摂れば、摂った側すなわち人間の生命力も賦活していきません。
そういう目に見えない面には気づかず、見た目だけがきれいな野菜や肉を求めることは、本末転倒の姿です。

ですから、これからの医療は、食を支える農業、畜産業と強く連携をして、消費者の健康に十分に配慮する姿勢と、消費者側の意識変革とを同時に実現していく必要があると思います。

ところで、「野菜を食べると糖尿病になる」という説があります。
野菜不足が叫ばれ、「野菜を食べれば病気にならない」という意識は普及してきていると思いますが、どういうことなのでしょう。

その原因物質とされているのが「硝酸塩」です。
これは、窒素肥料が土中や野菜の生体内で変化して生じる物質で、これが無いとむしろ植物は育ちませんから必要な物質です。
ところが、窒素肥料の過剰投入により、この硝酸塩が多量に野菜に残留することが問題となります。
特にハウスにおける葉野菜の促成栽培においては、旬ではない時期に急速に生育させようとする意図から、窒素肥料を過剰に使うと言われています。
栽培期間を短くするので光合成が十分に行なわれないから、硝酸塩は野菜に多量に残ってしまうということのようです。

ここにも、医療現場と同じような”そろばん”がはじかれています。
旬でなかろうと一年中その野菜が欲しいとする消費者側にも問題はあります。
厚生労働省はこの硝酸塩については「健康を害するとは考えられない」としていますが、そうなったら個人レベルで防衛策を講じるしか今のところは仕方がありません。

例えばほうれん草なら、茎や葉が長細く伸びているのはハウスものだとか、旬の時期に露地で栽培されたものを選ぶとかの方法しかないでしょう。
無農薬野菜なども粗悪品が皆無ではないため、とにかく旬のものしか買わないようにしているという人も増えているようです。

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